#PublicDesign

Urban Landscape Award

離れていた市民がふりむくまちづくりの価値

福岡市都市景観賞

市民や事業者等の景観への意識を高め、質の高い都市景観形成へつなぐことを目的とした「福岡市都市景観賞」は1987年に設立された歴史ある表彰制度ですが、本事業開始当初の2014年次には、応募作品数はピーク時の1/4に落ち込むなど明らかに盛り上がりに欠き、福岡市は認知度向上を狙っていました。
私たちは、本来は関係者にとって大変栄誉であり価値を持っていた景観賞を、市民参加イベントや市民賞の新設、市民目線のコンテンツ発信で再び盛り上げて、本当に市民に建築や景観が愛される賞にリデザインしたい。その志を持って、この事業に携わりました。
さまざまな視点を持った共同事業体(Fukuoka 360°Design Team)を組織し、「市民が景観をより身近に感じられる」というコンセプトを軸に、景観賞の存在を、限られた人たちのものから日々の暮らしに関係あるみんなのものへとシフトさせるためのシステムを企画、導入しました。表彰と同時開催する展覧会、市民の投票によって選ばれる「市民賞」の新設、審査体制の見直し、景観賞アプリや景観WEBマガジンFUBAなどのコミュニケーションデザインの見直しを行い、市民の景観に対する接点を増やしました。
この公共のコンテンツの価値に対する大幅な仕掛けの変更によって、私たちが本事業に携わった期間中に、ピーク時以上の応募を得るまでに回復させることができ、また、市民の参加という新しい価値を促すことにも成功しました。
今では担当からは退いていますが、市民賞やメディア展開のフォーマットなど多くの手法が新しい事業者によって継続されています。