#PublicDesign

Designated manager business
“Komisen Wajiro” ”Saitopia"

地域活動を現場でサポートする仕組みのデザイン

地域交流センター(運営、地域活動応援課)

一般的な公共施設の運営ではスペースの貸与などの限定したサービスの提供に終始しがちです。利用者や利用団体にとって使い道が見えないサービスの提供のためか、市民の利用は大きく減少していました。私たちは、この地域にとって不幸な状況の改善を目指して、企業とのJVの形式で指定管理者として運営に取り組んでいます。
私たちは、その幅広い管理運営事業の中でも、地域活動の活性化や地域情報の流通、交流の機会を目的に『コミュニケーション』と『情報』の2つの要素を活動の柱とした専門スキルを持つ『地域相談員』というサービスを開発・導入しました。相談という対話手段で地域のニーズを知り、地域活動のサポートや人的支援、解決に向けたマッチング、多様なコミュニティが交流する機会の創出などを開始しました。このこれまでになかった役割は、希薄になった地域の地縁の結び直しの機会を生み出すことに成功しています。近年は、コロナ禍という困難な時期もありましたが、地域活動を再開したい方々のサポートなど役割を担い続けています。
また、このサービスを続けていく中で、行政も大きな変化をみせ、指定管理者企画事業という枠組みをスタートしました。これは担当課との協議を重ねた上で実現に至ったもので、指定管理者自身が公共施設をコミュニティの「交流機会の創出の場」と位置づけ、さまざまな企画を実施することが可能となったのです。私たちは、この枠組みを活用し地域ではあまり活動がなかった分野であるスポーツや健康促進のためのイベント、地域文化や環境問題を学べる講座、映画上映会などを実施し、約5年間で数万人の交流の機会を生む結果となりました。
また『情報』の面でも、地域情報季刊誌の制作、や配布、また公式WEBやSNSでも、積極的に地域が交流するための情報を発信し、地域情報の流通量を増加させ、交流が促進することを狙いました。この情報戦略は、日本中からノウハウの問い合わせを頂くなど広範囲で評価を得ています。
2館の10年で得た貴重な地域ニーズと経験の集積は、今季から私たちが携わる「さざんぴあ(博多南地域交流センター)」の運営でも生かされる予定です。